研究概要 |
本年度は,以下の3種類の内容について研究を進展させた. 1.捨石マウンド斜面における捨石の滑動・転落に関する数値解析手法の改良は,まず平成3年度に開発作成したプログラムに含まれる材料定数の値について,従来の岩盤力学分野において行われた岩の空中自然落下の着底衝撃力測定結果との比較より,本計算で採用した捨石間の材料定数の値の妥当性が確認された.捨石と砂層との間の材料定数については,本年度行った捨石の砂層に対する着底衝撃力測定実験より十分な結論を得るまでに至らず,さらに今後検討を続ける予定である.なお,材料定数を系統的に種々変化させた計算結果より,材料定数値と捨石要素の動的挙動の関係は十分に把握できている. 2.捨石マウンドの堆積形状に関する確率論的な予測モデルを多数回投入へ適用する際の改良については,底開式バージの模型を用いた多数回投入実験より得られた投入回数と捨石マウンドの堆積形状特性の関係,およびDBMより得られた捨石の安息勾配角に関する計算結果を基に提案された補正モデルを導入することにより,投入回数の増加に伴う堆積形状の変化特性を定性的および定量的に良く再現できることが確認できた. 3.底開式バージの最適配船位置については,本研究では最適な配船位置を多点連続投入時における捨石マウンド間の不陸部を最小にするバージ船の配船間隔と定義し,上述した捨石マウンドの堆積形状に関する予測モデルとその補正モデルを併用して,バージ配船間隔と施工水深を種々変化させたときのマウンド間の不陸部の深さに関する系統的な計算を行なうことにより,多数回連続投入時のバージの最適配船間隔と施工水深の関係を明らかにした.
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