研究概要 |
本研究では、自動車排出ガス量を指標とした場合の交通制御方策の評価方法の検討を目的とし、具体的には、交通流の調査・分析,走行特性評価のためのシミュレーションモデルの構築・改良,走行特性を指標としたケーススタディによるモデルの適用性評価,各種制御方策導入による走行特性および排出ガス量の変化測定などを通じて、効果的な交通流制御方策導入の考え方を示した。その主な成果を以下にまとめる。 1.交通流の分析:これまでに得た調査データを再整理し、各種交通状況下における交通流データ(交通量や速度等の基礎指標に対応した旅行時間やモード構成などの走行特性)を分析した。また、これに基づいて、シミュレーションモデルの構築に必要となる回帰式群を設定した。 2.自動車排出ガス量の分析:基礎資料(大阪府等による調査データおよび走行シミュレーターによる実験データ)を整理・分析し、モデルの構築・運用に必要となる基本走行モード別・速度変化別の排出ガス原単位(および走行状態別排出状況)を設定した。 走行シミュレーションモデルの構築・改良:1,2の結果およびこれまでの知見を基に、交通流別にその走行状態と排出ガス量を推計するためのモデルを構築・改良し、ケーススタディを通じて同一交通量時に出現する2種の交通流(渋滞と非渋滞)への対応の可能性を示した。 ケーススタディによる排出ガス量の推計とその評価:ケーススタディとして簡単なモデル道路網を設定し、そこでの交通制御策導入による交通条件の変化に対応した走行特性および排出ガス量を推計し、その適用性を検討した。 5.交通制御方策の検討:国内外の各種交通制御・交通管理方策の事例を整理・分類し、これら方策導入に伴う効果を測定するための1方法として、本モデル適用の考え方を提案した。
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