研究課題/領域番号 |
03650446
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 和夫 東京大学, 工学部, 助教授 (60143393)
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研究分担者 |
鈴木 穣 建設省, 土木研究所・三次処理研究室, 主任研究員 (20231376)
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キーワード | 外圧型中空糸膜モジュール / 膜分離 / 高濃度懸濁性物質 / 膜ろ過理論 / 最適膜糸配置 / 活性汚泥 / 間欠ろ過 / 精密ろ過 |
研究概要 |
本年度は、複数膜糸の濾過特性について実験的・理論的に検討した結果、以下のような成果が得られた。(1)膜糸数を固定し、膜糸と膜糸の間隔を変えて、クロスフロー濾過により活性汚泥を濾過する実験から、汚泥が膜糸の間に堆積する限界の距離があり、その限界距離以下では定常フラックスは大きく低下する。(2)その限界距離には、モジュール内の流れ特性が大きく影響するようであるが、モジュール内での流速はその限界距離以下でも大きく低下しない。(3)膜糸間に汚泥が堆積した状態では、透過フラックスを規定する主要因子として膜束シェル側の堆積分率がある。汚泥堆積層を多孔性ケーキー層としてKozeny-Carman式と堆積層中の圧力分布式から、理論的に透過フラックスとの関係を表現することができ、得られた理論式と実験はよい一致を示した。(4)中空糸膜モジュールの評価指標として、膜束単位体積当りの濾過水量を提案し、それを最大化する膜充填密度が設計因子として重要であることを示した。(5)実際に中空糸膜の充填密度を変えたクロスフロー活性汚泥濾過実験により、最適充填密度を求めた結果、最適充填密度はクロスフロー流速が大きくなるほど大きい値となること、最適充填密度は膜糸が分散状態で独立に働く限界の密度として与えられることを明らかにした。(6)その限界の密度を超えると、フラックスが急速に低下し従って膜束単位体積当りの濾過水量も急速に低下すること、さらに充填密度を大きくすると、今度は膜糸間に完全に汚泥が詰まった状態となり、この場合膜束シェル側の体積分率が小さくなる方が即ち充填密度の高い方がフラックスは大きくなること、さらに充填密度を挙げると膜束表面の汚泥の堆積が生じ再びフラックスが低下すること等がわかった。 以上の結果と前年度の結果と合わせ総括し、報告書にまとめた。
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