研究課題/領域番号 |
03650450
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
来田村 實信 京都大学, 環境保全センター, 助手 (80144400)
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研究分担者 |
酒井 伸一 京都大学, 環境保全センター, 助手 (90170555)
高月 紘 京都大学, 環境保全センター, 教授 (80026228)
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キーワード | フェライト化処理 / 重金属 / 妨害物質 / リン酸イオン / 有機化合物 / 飽和磁化 / 粒度分布 / 密度 |
研究概要 |
平成3年の研究では、フェライト化処理の指針を得るだけでなく処理の可能性を広げるために,処理評価の指標としてフェライト粒子の飽和磁化、粒度分布及び密度を選び、それらと重金属ならびに妨害物質の種類及び濃度との関係を詳細に検討してきた。その結果、フェライト化重金属処理法における妨害物質であるリン酸及び有機化合物含有の影響について、いくつかの興味ある結果が得られた。 フェライト反応妨害物質であるリン酸イオンを含有した廃液の場合、各種重金属を含有した廃液に対する水酸化物や副生成物と同じく、系内に一部形成されるリン酸鉄や遊離のPO_4イオンが、フェライト生成反応を妨害する不純物としての役割を果たす。有機化合物含有廃液の場合、その種類によってフェライト反応に対する妨害の程度は異なる。クエン酸は鉄イオンとともに液相に溶解しているため、飽和磁化にはあまり影響を及ぼさず、重金属廃液などの場合のように飽和磁化の急激な低下は示さない。メタノ-ルの場合は不純物の形成などが非常に少ないために、その飽和磁化ー希釈倍率曲線はクエン酸の曲線より水平軸に沿って低希倍率側へ大きく移動する。種々のカルボン酸を比較した場合、その種類により共存濃度に対するフェライト化処理妨害の程度は異なること、処理対象物質としてのNiを含まない系において、フェライト化反応の妨害となる酒石酸及びクエン酸の混入量が少ないところでは、Feはすべてスラッジ中に存在し、カルボン酸の共存濃度が高くなるにつれ、不純物としてのFe粒子の増加により飽和磁化が減少すること、カルボン酸がNiの除去に及ぼす影響については安定度定数によりある程度説明がつくことなど興味あるいくつかの事実が明らかとなった。
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