研究課題/領域番号 |
03650458
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
川村 純夫 大阪市立大学, 工学部, 教授 (30046924)
|
研究分担者 |
谷口 徹郎 大阪市立大学, 工学部, 助手 (30231418)
木内 龍彦 大阪市立大学, 工学部, 助手 (30112527)
|
キーワード | 制振 / 平均風速 / 加速度応答 / ねじれ / 卓越風向 / 実測と風洞実験 |
研究概要 |
海に面して建つ高さ約60mの鉄骨造のホテルを利用して、頂部の風向・風速、また17階、14階、10階、4階および1階に水平2方向の加速度計、また17階および10階に変位計を設置した。またこの建物には、微小振動用に粒性ダンパーと強風用と中小地震用に鉛押出式制振装置(LEDダンパー)とを短辺方向に4ケ所、高さ方向に3〜17階のプレコン層と、鉄筋はりとの間に取り付けた。これらのセンサーからの出力を増幅した後、建物内に支局を設け公衆電話回線を使用して研究室でモデム(新規購入)を介してパーソナルコンピューター(PC98RX)で直接算出し、入力と応答の同時データーを台風91'19号を含め収録した。これらの解析を行って次のような成果を得た。 (1)年1回程度の保守点検を行えばこの測定システムには、おおむね実物に耐える。 (2)季節により卓越風向が異なり、地形・地物の影響が読み取れる。 (3)現在までに測定した範囲内では、加速度応答は最大で1gal強で人体に感じるか否かの程度であり、本方式の制振効果がきわめて大きいと云えよう。またスペクトルのピークの振動数のX方向(NS)は0.82Hz、Y方向(EW)で0.7Hzである。17階のY1とY2が時間ズレをもって振動することがあり、その絶対値は小さいがねじれ振動が認められる。また17階のY1と10階のYはほぼ同位相である。 (4)10階の方が17階よりも変位量が大きい。10階と17階が同位相の時が多いが、逆位相になることもある。またかなり長周期(日月単位)で大きく変動しているが、このことは現象としてか、測定システム上の内状かは現在のところ不明である。 今後さらにデーターを蓄積して、より合理的な制振方法について研究を行いたい。
|