本研究は、大阪湾岸に展開されている埋立地盤の地震動に関し、2年の研究期間でその特性を抽出することを目的とする。 初年度の平成3年度における研究成果は、次のとおりである。 1.地震観測点の新設 平成3年8月にディジタル強震計を購入し、大阪湾岸で最も堆積層の厚い(着岩深度2km)大和川河口の埋立地盤に埋設して、9月より地震観測を開始した。 2.過去の地震観測資料の整理・分析 1971年以降観測している大阪平野の地震記録のうち、大阪湾岸埋立地の武庫川(M)と南港(N)の観測点を中心にその観測記録を分析した。分析結果によれば、埋立地盤の地震動の全般的特性として、加速度振幅の表層での増幅は、1秒以下の短周期帯域では小さいのに対し、1秒を越え5秒程度までの長周期帯域では大きい傾向が明らかになった。
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