大阪平野は周辺を山地で囲まれ、大阪湾を含み短軸40km、長軸80kmの楕円形をなす盆地の北東部に位置する。この大阪平野の地震動は、地形と地盤条件によって顕著に影響される。 本研究は地震観測記録に基づき、埋立地盤における地震動の継続時間、卓越周期、増幅特性について検討したものである。このうち、今年度は主として、埋立土層を含む表層地盤における地震動の周期と増幅特性について考察した。 増幅特性の分析は、地震規模を考慮し、大阪平野周辺山地の岩盤および埋立地盤の地下60m地点の洪積層の地震動を基準にして、地盤条件の異なる3観測点について行なった。 分析結果によれば、以下のことが明らかになった。 (1)埋立地盤の地震動特性は、単に埋立土層の地盤性状のみでなく、地下60m程度までの埋立土層を含む堆積層の土質・層序・層厚などの地盤構造の相違によって、大きく影響される。 (2)約1秒より短い周期帯域は「主要動」部分において優勢で、ごく表層の地盤構造を反映している。これに対し、約1秒より長い周期帯域は「あとゆれ」部分において優勢で、深い堆積層の地盤構造の影響をうける。 (3)埋立地盤の地震動の増幅特性は、約1秒より短い周期帯域において、地下約60mまでの表層の地盤構造によって顕著に異なる。
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