研究概要 |
平成五年度は、平成四年度の一戸建住宅の床塵あい中のカビ、ダニアレルゲンの測定に続いて、同一の測定を集合住宅について行った。測定項目は、室内の温湿度測定、床温湿度測定を洋間、和室似ついて行い、畳床、カーペット床に分けて、電気掃除機で、収集した床塵あい1gに100倍の滅菌水を注入したよく振って、上澄液を1mlPDA培地に散布して、発生コロニー数を計数した。カビは、その後、分離して、スライドカルチャー法によって、同定を行った。 同一の床塵あいから、化学免疫法によって、DerI,DerpI,DerfI,DerIInoダニアレルゲン量を定量した。 次に、前年の一戸建住宅の結果と集合住宅の結果の比較を行った。床仕上材についての比較では、一と建住宅では、畳のダニアレルゲンの値が高く、集合住宅では、カーペット床の値が高かった。これは、暮らし方の違いによるものと思われ、一戸建住宅では、和室に堀こたつ周辺が居間として常時家族が生活し、集合住宅では、カーペット床の居間で日常の暮らしが行われるため、ダニは人の多い所に生息するためであろうと思われる。カビについては、特筆するべき特徴は見いだせなかった。 郡山集合住宅と同緯度にある韓国ソウル市近郊で、平成四年度九月、五年度三月に郡山市と同一の測定を行い、カビコロニー数の計数、ダニアレルゲン量の定量を行った。郡山市との比較において、ダニアレルゲン量はいずれも、ソウルは低く、カビコロニー数については、九月が少ないが、三月は郡山市より遙かに高い値を示したが、原因は不明である。
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