研究概要 |
初年度(平成3年度)の研究を、次のように2つに分けて進めた。 1.臭気評価装置の作成 「におい」を定量化するためにASTM,E544ー75に基づく臭気評価装置を完成させた。この装置を本研究における主たる測定器とする為に、まず、装置の希釈空気と基準ガスとの混合割合を正確に検定する必要があり、石鹸膜流量計により正確に調整したところ、流量の誤差は概ね±2%以下にすることができた。この装置を標準ガスを用いて校正したところ、濃度の誤差は±5%以下にすることができた。この濃度の値はASTM,E544ー75に基づいて設定したものである。なお、この装置を使用する事により実験で得られたデ-タ-は国際的に比較することが出来るようになった。 2.実験室実験 次に、既に作成し準備が出来ていた同じ規模とそれぞれ独立した換気・空調装置を有する2つの実験室を用いて、「体臭」と「喫煙臭」を対象とした場合の必要換気量を求めるための実験を行った。実験方法は実験室内に6〜10名の被験者を入室させて、1)換気量2)室内温湿度3)在室時間4)浮遊粉じん濃度5)入室者数等を変化させた。被験者は異なる空気環境条件に設定された2室の実験室を往復する。被験者と室外にいる検者に、室内空気の「臭い」を嗅がせて臭気評価装置と主観的申告をアンケ-トさせた。同時に必要換気量の指標物質であるCO_2濃度浮遊粉じん濃度等空気環境要素を測定した。被験者、検者の「臭い」に対する申告と空気環境要素との関係を求めた。 作成した臭気評価装置は、この装置を用いて実験室実験の結果、室内の「におい」を定量化するために十分目的を達成する事ができることが分かった。
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