平成3年度には、北海道内の地方都市の都市構造分析による都市特性の類型化と現地調査(札幌・北見・岩見沢・砂川などの都市を対象とした観察調査、アンケ-ト調査)を行ない (1)市街地の更新を推進してゆく上での市街地整備上のマクロな課題の把握、 (2)公的な集合住宅団地が潜在的に保有している団地周辺市街地への整備計画上の役割の把握を行なった。 得られた主要な結果を列記する。 1.地方都市の市街地整備を計画的に進めてゆくためには、市街地を都心・既成市街地・新市街地・市街地進行地域に区分することが計画論的に有効である。 2.既成市街地における住環境の形成は今後の地方都市の重要な課題であり、地方中規模都市の住環境形成計画上、公的集合住宅団地の更新・建替えは、極めて重要な役割を担うものとなる。 3.地方都市の公的集合住宅団地は、地区住環境形成に対し果たし得る役割と周辺地区へのインパクトから、計画論的には4つの型に分けて理解することが必要である。 4.既成市街地周辺や新市街地などの市街地周辺部に公的な集合住宅団地が多く立地する地方都市では、小規模団地が分散立地するケ-スが多く、更新時には数団地の移転や統廃合を行なうことにより建替え戸数と住環境整備上のポテンシャルの集約化を図りながら、併せインフラの整備をおこなう必要がある。 5.公的住宅団地の更新を住環境整備として展開するには、公的事業のみではなく地区住民を組込んで地区の個別的な更新と整備計画メニュ-を束ねる総合性が必要となる。
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