まず葬儀の専用施設化は避けることができない状況に来ている。ここ数年で全国的な規模で自宅葬から施設葬に移ることは明らかである。そのために基本的な地域施設としての位置付けが不可欠である。 しかも、現在の傾向からして葬儀の多様化と共に施設の選択性も求められて行くことが明らかである。その結果施設への評価が重要な課題として浮かび上がって来た。したがってこの研究の結論として、葬儀場の施設の評価に取り組んで来ている。しかし評価といわれるものは、その視点、方法によってその結果が異なり使い方も難しい。施設の企画や設計のために役立つように考えた。そのためには既存の施設が評価できると共に進行中のプロジェクトにも適応できる必要があろう。 評価試案の枠組みを示しておきたい。まず評価の項目は立地に関すること、提供できるあるいは利用可能なサービス、施設の水準と使い勝手である。規模と内容からみて次の5段階くらいに想定できるように思える。それをホテルの評価にあやかって星の数で表してみた。 ☆:家庭葬儀が中心で、住宅地の中にある集会場や商店街の中での町内会館の集会室を使う規模である。 ☆☆:一般の家庭葬儀を対象とするもので、一組の遺族が使用する専用の葬儀場程度を想定する。電車や地下鉄など公共交通機関に近かったり、主要道路に面していよう。通夜から法要まで一通りの葬送儀式が執り行われる。 ☆☆☆:複数の家庭葬儀や比較的大規模な葬儀を行う葬儀場。主幹線からのアプローチなど車での利用が重視される。同時に儀式を進行させるための配慮が必要になる。 ☆☆☆☆:数組の葬儀が並行して行われたり、大規模な本葬が全館を使って執行されたりする。これに加えて、葬具の販売、宿泊など関連する機能をもつ複合の施設。 ☆☆☆☆☆:さらに、火葬や納骨施設などの一連の葬送行為や関連する機能との複合されている葬儀場を中心とした施設群としても想定できる。
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