研究概要 |
一般に取り扱われている粉粒体の形状は,様々であり,その分離法の多くは,形状による摩擦力の違いを利用したものである。本研究では,粉砕性の違による形状分離について,石英ガラス,石灰石を用い,粉体層の圧縮粉砕,ボ-ルミル粉砕,撹拌ミルによる自生粉砕を行っている。本報告においては,これまでにほぼ完了している粉体層の圧縮粉砕の結果について述べる。 粉砕実験は,粒子径が3.5〜4meshの石英ガラス粒子を用い,充てん質量は,18,36,54gの3種類,圧縮荷重は10^3〜10^4Nとした。粒子形状の指標としては最長径と厚みをノギスで測定し,その比を形状指数とした。実験手順は,個数,形状指数,質量を測定し,この粒子群について粉体層の圧縮粉砕を行った。粉砕実験後,4meshのふるいで整粒し,ふるい上に残った粒子を未粉砕粒子として,個数,形状指数,質量を測定した。また,耳粉砕粒子の個数を供給粒子個数で除した値を未粉砕確率と定義した。その結果,以下の結論を得た。 1)形状指数の分布は,圧縮荷重の増大とともに形状指数の大きい粒子が粉砕除去されシャ-プになる。 2)試料単位質量に加えたエネルギ-と粉砕確率の関係は,両対数紙上で直線関係になり,試料質量に影響されない。 3)未粉砕粒子と原料粒子の形状指数の比の平均は,未粉砕確率の減少とともに直線的に減少し,この関係は試料質量に影響されない。 以上の結果から,分級ー粉砕ー分級プロセスにより粉砕性の良い形状を有する粒子を粉砕除去することができ,新しい粉砕プロセスの利用が可能となった。
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