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1992 年度 実績報告書

拡張カルマンフィルタによる微粉体プロセスのオンライン状態推定

研究課題

研究課題/領域番号 03650516
研究機関東京大学

研究代表者

岡野 靖彦  東京大学, 工学部, 助教授 (30011092)

研究分担者 岡屋 克則  東京大学, 工学部, 助手 (80134493)
野中 道郎  東京大学, 工学部, 助手 (70010981)
井上 外志雄  東京大学, 工学部, 教授 (80010742)
キーワード拡張カルマンフィルタ / 状態推定 / 誤差共分散行列 / 最適サンプリング / strange attractor / 共役勾配法 / LQG制御 / discrete vortex simulation
研究概要

前年度開発した、拡張カルマンフィルタの修正アルゴリズムであるSEEK filterを多自由度系、すなわち多数の状態推定変数をもつ非線形系に適用できるようにするため、多自由度系に対する最適サンプリングアルゴリズムを組み込んだadvanced SEEK filterを開発した。この最適サンプリングアルゴリズムは、状態推定誤差の共分散マトリクスを決定するためのRiccati型マトリクス微分方程式のJacobianに、共分散推定値を代入して得られる推定誤差収束速度マトリクスのトレースを評価関数として定義するものである。多自由度系に対する観測マトリクスを(自由度-1)の選択パラメタをもつ対角マトリクスで与えると、評価関数を選択パラメタの2次結合の和の形として解析的に導くことができる。多自由度系に対するadvanced SEEK algorithmでは、状態推定誤差の収束速度を最大にする観測マトリクスを、Powell-Fletcherの共役勾配法を評価関数に適用することにより決定する。Advanced SEEK algorithmの効力を調べるため、パラメタが周期的にswitchingするLorenz systemに適用して状態推定を行った。Lorenz parameterが、strange attractorの間をswitchingする周期が短いときには、最適サンプリングモードの切り替えを頻繁に行うことにより、advanced SEEK filterは正確な状態推定値をリターンする。一方、parameter switchingの周期が長くなるにつれて、最適サンプリングモードの切り替えは緩やかになってゆく。Advanced SEEK algorithmは、discrete vortex simulationに対しても適用された。vortex strengthにより複雑な挙動をする渦運動を、最適サンプリングを繰り返しながら正確に推定することができることが確認された。これらは、従来の拡張カルマンフィルタではほとんど推定不可能であった非線形システムであり、本研究において開発できた状態推定アルゴリズムの有用性を十分に確認できた。最後に、カルマンフィルタと密接に関連するLQG制御の限界をH∞制御の可能性との関連において論じた。

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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