研究課題/領域番号 |
03650526
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大嶋 隆一郎 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (50029469)
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研究分担者 |
江澤 正思 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (90160358)
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キーワード | 一次相転移 / 電子顕微鏡 / 画像処理 / 照射誘起偏析 / メゾスコピックパターン / 磁気相転移 / 規則-不規則転移 |
研究概要 |
様々な合金における一次相転移について200kV電子顕微鏡と超高圧電子顕微鏡によるその場観察を行い、その結果をビデオ画像と写真による静止画像で記録した。得られたデータを画像処理装置を用いて解析を行った。原子半径の異なる種々の溶質原子を含むNi合金における超高圧電子顕微鏡観察による電子線照射誘起二次欠陥の成長速度の温度依存性を測定することにより、各溶質原子と原子空孔及び格子間原子との相互作用エネルギーを求めた。さらにガスイオン照射実験の結果と比較することにより従来単純なサイズ効果で整理されていた照射誘起偏析現象はヘリウムや重水素との相互作用を考慮した反応方程式の解析の結果によって初めて統一的に解釈出来た。またAu-Ni合金においては、観察されるメゾスコピックサイズの歪コントラストの原因が濃度揺らぎと関係することを明らかにし形成される析出物の構造を明らかにした。強磁性-反強磁性相転移と関係するFeRh合金の一次相転移の変態過程をその場観察で調べ、この相転移が弱い一次相転移を示す多くの形状記憶合金と同様に母相-変態相界面移動によって進行する様子を初めて明らかにした。さらに以前よりその原因が不明とされていた1000K付近での熱処理に伴う相転移挙動の変化が微細な析出物の形成によることと、それに伴う母相の濃度揺らぎおよび析出物による界面移動の抑制によることがビデオ画像の解析によって分かった。一次の規則-不規則相転移(A2-L1_o)を起こすFePd合金の規則化の進行に伴う独特のメゾスコピックパターン形成過程について調べ、この現象が規則相の形成に関係する正方歪を緩和するための力学的な平衡が化学的な平衡よりも優先する結果として説明した。さらに規則度の増大によるドメインの食い合いの様子を画像処理により解析し、メゾスコピックパターンから単一のドメインへの発達過程を明らかにした。
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