• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1992 年度 実績報告書

金属熱還元法によるレア・アース酸化物(Tm_2O_3およびYb_2O_3)の還元反応機構

研究課題

研究課題/領域番号 03650534
研究機関室蘭工業大学

研究代表者

嶋影 和宜  室蘭工業大学, 工学部, 教授 (70005346)

研究分担者 佐藤 忠夫  室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (20002941)
キーワードレア・アース酸化物 / 熱還元反応 / 反応機構 / 律速段階 / 活性化エネルギー / レア・アース金属 / 溶解度 / 溶融塩
研究概要

本研究においてはまずレア・アース金属製造の基礎研究としてレア/アース元素の中で最も蒸気圧の低い金属ランタンを還元剤に使用し、酸化サマリウム、酸化ユーロピウム、酸化ツリウム、酸化イッテルビウムなどのレア・アース酸化物の熱還元反応機構について検討を行った。各酸化物とランタンの還元時間曲線は還元時間と反応率との両対数を用いて整理でき、各直線の勾配は約0.5であった。これらの解析より、還元反応の見かけの活性化エネルギーを算出した結果、酸化サマリウムの場合は94kJ/mol、酸化ユーロピウムでは236kJ/mol、酸化ツリウムでは154kJ/mol、酸化イッテルビウムでは243kJ/molであった。以上の実験結果よりWagner理論に基ずく電気化学的還元反応モデルを提案し、反応機構について検討を行った。各レア・アース酸化物とランタンの還元反応は還元生成物である酸化ランタン層を通してのランタンイオンあるいは酸素イオンの移動過程が律速段階になるものと推測された。
また、通常レア・アース金属製造の溶融塩電解においては陰極に析出した金属の再溶解が陰極電流効率の低下および金属霧現象として問題となるが、LiF系溶融塩中におけるレア・アース金属の溶解反応に関する研究報告は極めて少ない。そこでLiF-LaF_3およびLiF-NdF_32成分系溶融塩中における金属ランタンおよび金属ネオジムの飽和溶解量の測定および溶解挙動について検討を行った。その結果、金属ランタンと金属ネオジムではLiF系溶融塩中への溶解形態が異なることが判った。金属ランタンは主としてLiFとの置換反応により溶解し、不均化反応による溶解は明確には認められなかった。金属ネオジムは反応初期には金属Laの溶解と同様にLiFと置換反応より溶解するが、置換反応により生成したNdF_3はさらに金属Ndと不均化反応によりNdF_2を形成することが判った。LiF系溶融塩中における金属ランタンと金属ネオジムの飽和溶解量の違いはこれらの溶解形態が異なるからであると推定された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 嶋影 和宜: "金属ランタンによるレア・アース酸化物(Sm_2O_3,Eu_2O_3,Tm_2O_3およびYb_2O_3)の還元反応機構" 日本金属学会誌. 54. 17-24 (1990)

  • [文献書誌] K.Shimakage: "A Fundamental Study on the preparation of Rare Earth Metals (Sm,Eu,Tm and Yb)by Direct Reduction Process" Metallurgical Review of MMIJ. 7. 1-12 (1990)

  • [文献書誌] 嶋影 和宜: "LiF-REF(RE:La,Nd)2成分系溶融塩中における金属 Laおよび金属Ndの溶解挙動" 電気化学会誌. 60. 426-433 (1992)

URL: 

公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi