研究概要 |
TiーCu系混合粉末に希土類酸化物Y_2O_3粉末を0.2,0.5,0.8,1.0wt%に変化させて添加し、万能混合攪はん機(型式5DMVー01ーrr)で有機溶媒とともに混合してスリラ-状金属粉末を作製した。このスリラ-状金属を高速度鋼およびステンレス鋼表面に塗布・乾燥し、酸化物系セラミックスとしてAl_2O_3,ホウ化物系セラミックスとしてTiB_2ーTa_2ーCoB,非酸化物系セラミックスとしてSiCおよびSi_3N_4を用い、接合対を作製して接合実験を行った。接合対の加熱温度は1173Kから1423Kまでの100K毎に1.8および3.6ks真空雰囲気である。接合対の冷却時の速度は所定温度から773Kまでの5k/minである。以後は炉中放冷である。得られた接合対の接合界面の生成相はEPMAおよびX線回折で解析した。また、特別に作製したせん断応力を負荷できる治具を用いて接合界面の接合強度を測定した。 実験結果のうち酸化物系セラミックス,ホウ化物系セラミックスの結果は(1)Al_2O_3の接合界面にはTiを固溶したAl_2O_3とTi酸化物が観察された。(2)ホウ化物系セラミックスでは接合界面に2相(TiーCu相にFe,CoおよびNiの相互固溶相)混在の反応相の形成が確認された。(3)ホウ化物系セラミックスと高速度鋼の接合部のせん断強度は100〜120MPaで,最大強度155MPaが得られた。実験結果を総括すると(1)接合界面にボイドや割れの発生(2)反応相中のイットリアの役割がEPMAおよびX線回折から判定困難(3)接合の良否を判定する統計的解析を得るに必要な接合対が少なかった。今後の検討課題としてSi_3N_4ではインサ-ト金属の選択(遷移金属および鉄族金属の利用)他のセラミックスではインサ-ト金属の積層化(合金元素の濃度傾斜被覆)および複合化が必要であると考える
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