研究課題/領域番号 |
03650585
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研究機関 | 西東京科学大学 |
研究代表者 |
落合 鍾一 西東京科学大学, 理工学部, 助教授 (70169324)
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研究分担者 |
釘田 強志 西東京科学大学, 理工学部, 助手 (80225127)
小島 陽 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (60016368)
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キーワード | 金属間化合物 / 2相アルミナイド / NiAl / Ni_3Al / ラメラ構造 / マルテンサイト / Ms点 / 超塑性 |
研究概要 |
Ni系アルミナイドとして代表的なB2型NiAl(β)とLl_2型Ni_3Al(γ')金属間化合物を組合せた(β+γ')2相合金は特殊な熱処理を施すことにより超微細構造とすることができ、高温で超塑性現象を発現することが明らかにされている。本研究の目的は第3元素を添加することによる機械的性質および耐酸化特性への影響を調べることである。この目的を遂行するため、平成3年度は以下に成果の概要を示す計3項目の達成を目指して研究を進めた。1項『合金設計思想に基づく添加元素の選定』:NiAlーX3元系状態図を基にして、構成相であるNiAlとNi_3AlへのX元素の置換挙動および固溶限、2相領域でのタイラインを調べ、合金元素の選定並びに添加量を決定した。また格子定数変化等の関係から固溶強化への寄与を推定した。その結果、延性改善のためにBを選定し、微小量添加することとした。また、Niに置換しながら比較的多量に固溶するものとしてCoおよびFeを選定した。FeおよびCoは化学的にNiに類似した元素であるためマルテンサイト変態開始温度(Ms点)への影響は小さく、2元系合金における焼入れ条件をそのまま適用できると考えられる。2項『溶解法による製造と熱処理』:ア-ク溶解炉による溶解技術の確立を目指した。また、本研究で作成した合金系では従来の熱処理条件の適用が可能であることを指摘した。第3元素を添加しても熱処理によるラメラ微細構造には大きな変化が見出されなかった。Bの添加は旧NiAl粒界上にNi_3Alのフイルム状組織の形成を促すことが明らかとなった。3項『機械的性質および酸化特性の調査』:特に高温変形を支配する超塑性変形のメカニズムを透過型電子顕微鏡による組織観察結果から検討を行なった。初期変形においてはラメラ構造から等軸粒への組織変化が、また次第に動的再結晶メカニズムが超塑性変形を律速することを示した。耐酸化特性については次年度において調べる予定である。
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