研究課題/領域番号 |
03650607
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
城 昭典 熊本大学, 工学部, 教授 (40038047)
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研究分担者 |
林 輝美 熊本大学, 工学部, 助手 (70189653)
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キーワード | 陰イオン交換体 / 大環状ポリアミン / キレート樹脂 / コバルト / ホフマイスター系列 / イオン選択性 / 亜硝酸イオン / チオシアン酸イオン |
研究概要 |
本年度の実施計画に従い、以下の成果を得た。 1.オクタデシル基を導入したジオキソサイクラムのコバルト(III)錯体のクロロホルム溶液により過塩素酸イオンの大過剰の共存下からでも、チオシアン酸イオンを高選択的に抽出可能であった。すなわち、この鎖体は非ホフマイスター型の液状イオン交換体を与える。 2.上記1の疎水性コバルト錯体を合成吸着剤Amberlite XAD7樹脂に担持した陰イオン吸着剤を開発した。この吸着剤は過剰の硝酸イオン共存下でも亜硝酸イオンを吸着可能であり、非ホフマイスター型陰イオン選択性を示した。しかし、この方法ではコバルトの担持量は0.3mmol/g程度が限度であった。 3.共有結合でジオキソサイクラムが高分子基体に結合されたキレート樹脂を開発した。特にグリシジルメタクリラート-ジビニルベンゼン球状共重合体にジオキソサイクラムを固定化した樹脂では、コバルト(III)を0.6-0.7mmol/g程度まで担持可能であった。 4.上記3で得たコバルト(III)担持キレート樹脂は、硝酸イオンよりは亜硝酸イオンに、また過塩素酸イオンよりはチオシアン酸イオンに高選択性を示した。吸着された各陰イオンはpH13程度のアルカリ水溶液で容易かつ迅速に溶離されることも明かになった。 5.市販陰イオン交換樹脂を充填したカラムでは10倍モル以上の硝酸イオンまたは過塩素酸イオンが共存するとそれぞれ亜硝酸イオンまたはチオシアン酸イオンを吸着できないが、上記3で得た吸着剤を充填したカラムでは同条件下でそれぞれの陰イオンが吸着可能であった。また吸着-溶離-再生の反復使用も可能であった。
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