研究課題/領域番号 |
03650616
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
矢野 豊彦 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助手 (80158039)
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研究分担者 |
宮崎 広行 東京工業大学, 工学部, 助手 (30239389)
井関 孝善 東京工業大学, 工学部, 教授 (10016818)
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キーワード | セラミックス / 中性子照射 / 点欠陥 / 転位 / 機械的性質 / 炭化ケイ素 / 室化アルミニウム / スピネル |
研究概要 |
日本材料試験炉(JMTR)で中性子照射が終了している多結晶SiC、AIN、単結晶スピネルについて、高分解能電子顕微鏡で二次欠陥の解析を行なった。SiCについては、2×10^<24>n/m^2程度の照射では、明確な転位ル-プは形成されていなかったが、AINに於いては同程度の照射量で(0001)面に格子間原子型転位ル-プが形成されているのが観察され、結晶モデルをもとにした電子顕微鏡像シミュレ-ションの結果、その構造を解明することができた。8×10^<22>n/m^2の試料には転位ル-プは見られなかった。単結晶スピネルでは、(111)面に格子間原子型転位ル-プの形成は確認できたが、その構造を解明することはできなかった。購入したスパッタコ-タはこれらの電子顕微鏡試料作製に用いた。これらの試料の硬度はマイクロビッカ-ス硬度計で、破壊靭性はビッカ-ス圧入法及びSEPB法で、曲げ強度はJISに準じた方法及びミニチュア試験片で、ヤング率は歪ゲ-ジを使い測定した。A1Nについては、転位ル-プの有無にかかわらず、硬度及び破壊靭性値は照射により大幅に増加したが、ヤング率は変化なかった。曲げ強度はスエリングの増加にともないやや減少する傾向が認められた。SiC及びスピネルに於いてもスエリングに対応して試料の硬度が大幅に増加することが観察された。これらのことから、試料の硬度は、点欠陥の増加により著しく増加することを明らかにした。一方、レ-ザ-フラッシュ法による熱拡散率測定の結果より、熱拡散率は主に点欠陥の存在により低照射量から著しく低下することを明らかにした。
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