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1991 年度 実績報告書

耐酸化性炭素系複合材料の開発に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 03650629
研究機関長崎大学

研究代表者

小林 和夫  長崎大学, 工学部, 教授 (30225495)

研究分担者 高尾 雄二  長崎大学, 工学部, 助手 (20206709)
内山 休男  長崎大学, 工学部, 助教授 (50039690)
江頭 誠  長崎大学, 工学部, 教授 (60037934)
キーワード炭素 / セラミックス / 複合材料 / 酸化 / 高温
研究概要

1.ラジアル構造およびオニオン構造を有するメソフェ-ズピッチ系炭素繊維の空気雰囲気下における高温酸化挙動を調べた結果、炭素繊維の微細構造の相違によって酸化挙動が異なることが判った。すなわち、ラジアル構造繊維においては、黒鉛層面のエッジが繊維表面に出ている部分から優先的に酸化が進行し、ストリエ-ションやピットの生成が顕著となること、オニオン構造繊維においては、表面に露出する黒鉛層面のエッジ部分が少なく、ゆるやかな傾斜のピットが生成した。また、酸化に対する見かけの活性化エネルギ-として650〜750℃の領域で約35kcal/mol、75〜850℃の領域で約13kcal/molの値が得られた。
2.炭素/B_4C/SiC複合材料の高温酸化を、乾燥空気、乾燥酸素および湿潤空気の異なる雰囲気下で調べた結果、湿潤空気下では900〜1000℃の温度域にて酸化が著しく進行することが判明した。これはこの温度域における水蒸気存入下では表面酸化保護膜が形成され難いことによることが推定できた。一方、1200℃以下ではいずれの条件下においても緻密な保護膜が表面に形成され、以後の酸化を防止することが判った。この緻密な保護膜はB_2O_3とSiO_2からなる硼珪酸膜であり、材料の耐酸化性を改善するには、この組成からなる表面酸化膜を自己形成させるようなセラミックスの配合が複合材として望ましいことが指針として得られた。
3.PAN系フエルト状炭素繊維に熱硬化性樹脂およびピッチを含浸させ、2000℃で熱処理したC/C複合材の空気酸化実験を試みた結果、500℃付近より酸化が開始されるが、まず繊維/マトリックス界面、次いでマトリックス領域、繊維部分の順序で酸化が進行していくことが判った。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 小林 和夫,前田 和敏,佐野 秀明,内山 休男: "異なる雰囲気における炭素/SiC/B_4C 複合体の高温酸化" 炭素. 1992. (1992)

  • [文献書誌] 小林 和夫,舟橋 博幸,内山 休男: "メソフェ-ズピッチ系炭素繊維の高温空気酸化に伴う形態変化" 炭素. 1992. (1992)

  • [文献書誌] K.Kobayashi,H.Sano,K.Maeda and Y.Uchiyama: "Oxidation Behaviour of Carbon/SiC/B_4C Composite in Dry and Moist Air" 日本セラミックス協会学術論文誌. 100. (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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