本研究の目的はセメントの混和材として用いられるスラグやシリカヒュ-ムを加えたペ-ストのレオロジ-特性を調べることであり、特に水比の小さい時のセメント、スラグ、シリカヒュ-ムの三成分系ペ-ストの流動特性を測定して、そのレオロジ-的性質を明かにし、DSP(Densified system of homogeneously arranged ultraーfine particles)材料と呼ばれるセメントに超微粉末を配合して得られる高強度材料の開発の基礎とする事である。 新規購入した振動式粘度計を用いて特に水比の小さい時におけるセメント、スラグ、シリカヒュ-ムの三成分系のペ-ストの流動特性を三成分系ペ-ストの測定し、そのレオロジ-的性質を解析し、以下の結果を得た。 セメントペ-ストの流動特性に対して、スラグ添加はそのダイラタンシ-性を助長し、シリカヒュ-ム添加は塑性流動性、チクソトロピ-性を助長する。スラグは10ー20%、シリカヒュ-ムは5ー10%の添加で、ペ-ストの流動性が最も大きくなる。スラグとシリカヒュ-ムを同時に添加すると、2成分系のペ-ストより粘度が低くなることが分かった。それぞれの最適混合率は単独に添加する場合より大きくなった。異種の粉体試料混合系で、ペ-ストの流動性を向上させるためには、粒子パッキングが良くなるような粒径分布を実現することが有効である。さらにスラグとシリカヒュ-ムのような分散、凝集特性の異なる粒体を組み合わせる事により激しいダイラタンシ-やチクソトロピ-性を弱める事が可能になる。
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