研究課題/領域番号 |
03650642
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
堀 善夫 千葉大学, 工学部, 教授 (20114324)
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研究分担者 |
古賀 修 千葉大学, 工学部, 講師 (60110293)
延与 三知夫 北海道大学, 触媒研究センター, 教授 (10001710)
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キーワード | 電気化学還元 / 二酸化炭素 / 金属 / 電極触媒 / 電極修飾 / アドアトム / 銅 |
研究概要 |
水溶液中でCO_2の電解還元を行った場合、Cu電極上では特異的にCH_4、C_2H_4をはじめアルコール、アルデヒドが生成する。一方Au電極上では、CO_2は低過電圧で効率よくCOに還元される。本年度の研究では、Au多結晶電極上にCuをUPD(underpotential deposition)により電析させたadatom Au/Cu電極と、adatom電極上にさらにOPD(overpotential deposition)でCuを多層析出させたAu/Cu電極を用いて、CO_2還元を行い、Cuの電極触媒活性がどのような条件で出現するかについて検討を行った。 Au単電極上のCO_2電解では、85%以上の電流効率でCOが生成し、炭化水素種の生成はみられない。UPDで一層電析させたadatom電極について、-1.50Vvs.SHEでCO_2の電解を試みたところ炭化水素種の生成はみられず、Au単電極と同様の生成物分布を得た。この電極について、CO_2電解終了後アノードストリッピングを行ったが、adatomの溶出量位(+0.50Vvs.SHE)でadatomの1層に相当する460μC/cm^2のCuが存在していることが確認された。Cuの電析量が2層以上になると、ごく微量ながら、CH_4、C_2H_4の生成が起こり、同時にCH_3CHO、C_2H_5OH等のアルコール、アルデヒドも検出され、これらは、4層で充分定量可能となった。そしてさらにCuの被覆率が増加すると、CH_4、C_2H_4、アルコール、アルデヒドの電流効率は増加し、一方でCOは減少する。以上の結果から考えると、Cu上でのCO_2を還元した際の炭化水素種の生成は、単原子層上では起こらず、数原子層以上の厚みをもったバルクのCuの状態が必要であると結論される。 Breiterは、Pt黒電極上にCuを電析させ、開回路電位を測定することによりCuの特性の研究を行った。これにより、10層以上の電着量ででバルクのCuの性質が出現することを報告している。Au/CuでのCO_2還元でも同様の現象が起こっていると考えられる。
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