本研究は、申請当初の計画通り、順調に進行している。 以下、本年度遂行した研究内容と成果について、具体的に、順を追い略述する。 (1)申請時以前に、銅・ゼオライトにおいてすでに確認されていた、還元ー酸化処理による活性化を、パラジウム・ゼオライトに適用した結果、細孔内に活性種の生成が認められたので、その成果を直ちに、J.Mat.Sci.に投稿し、採用され、本年度印刷される。 (2)上記パラジウム・ゼオライト細孔内の活性種の生成過程とその構造が銅・ゼオライト内のそれと著しく異なっていたので、それらの差異についてEXAFSスペクトルを詳細に比較検討した結果を、国際分析科学会議(IUPAC)において報告し、また、論文として、Anal.Sci.に採用され、本年度印刷される。 (3)次いで、パラジウム・ゼオライト内の活性種生成過程と生成条件について詳細に検討し、そのメカニズムを解明し、これらの成果をプラハで行なわれた国際ゼオライト会議において報告し、また、論文として当該国際会議のProceedingsに採用され、本年度印刷される。 (4)上記パラジウム・ゼオライト細孔内に生成した活性種の触媒能について広範囲に恒って試験した結果、酸化反応におけるより、むしろ、還元反応において顕著な触媒活性が認められたので、現在、窒素酸化物の還元除去触媒としての有効性を検討しているところである。これらの結果は、化学会春季年会および国際ゼオライト会議において発表し、適当な学会誌に投稿する予定である。
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