研究概要 |
本研究では、光電子移動反応を利用したアミノ化反応を精密合成へ応用するために次の3つの課題に取り組んだ。 1.光アミノ化反応の位置選択性 カチオンラジカルとアミンの反応で進行する光アミノ化反応の位置選択性を12種種類のスチルベン誘導体について検討を行った。その結果、pー位にメトキシが置換したときに位置選択的なアミノ化反応が起こることが明らかになった。 2.光アミノ化反応の立体選択性 9ーアルコキシフェナントレンの光アミノ化反応からはcisー9ーアルコキシー10ーアミノー9,10ージヒドロフェナントレンが主として生成した。このことからアミンの付加の立体化学は主としてtrans付加であることが分った。 3.光アミノ化反応のイソキノリン化合物合成への応用 アミノアルコ-ルやアミノアセタ-ルなどの二官能性アミンによりフェナントレンやスチルベン類の光アミノ化反応で得たアミノ化生成物をトリフルオロメタンスルホン酸やフッ化ホウ素によって環化させ、ベンジルイソキノリン、イソパビン、およびアペルフィンなどの1ーアミノー1,2ージアリールエタン骨格を有するイソキノリン化合物の合成に成功した。
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