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1991 年度 実績報告書

重水素NMR法による液晶性高分子のコンホメ-ションとセグメント運動の解析

研究課題

研究課題/領域番号 03650714
研究機関東京大学

研究代表者

鳥海 弥和  東京大学, 教養学部, 助手 (70180205)

キーワード高分子液晶 / 二量体液晶 / 重水素NMR / 相転移挙動 / コンホメ-ション / 配向秩序度 / 偶奇性効果 / 配向理論
研究概要

本研究は、サ-モトロピック高分子液晶における配向秩序の発現メカニズムならびに相転移の熱力学的性質におよぼす分子鎖コンホメ-ションの効果を明らかにし、よって高分子液晶の分子設計の基礎を実験的・理論的に確立することを目的にスタ-トした。
この目的のため、主鎖型高分子液晶のモデル化合物として「コア-柔軟鎖ーコア」からなる構造をもつ二量体液晶を採用し、その相転移挙動をコア・セグメントの構造およびアルキル・スペ-サ-鎖の鎖長の関数として決定した。この解析を通し、二量体液晶の相転移挙動が、コアとスペ-サ-鎖の結合様式を鋭敏に反映して変化すること、またスペ-サ-鎖のパリティに依存した顕著な偶奇性振動を示すことなど、主鎖型高分子液晶の相転移挙動にみられる特徴を良好に再現することを見い出し、これらの結果を論文に発表した。
また、こうして得られた実験結果を理論的に解析するため、二量体液晶のアルキル・スペ-サ-を選択的に重水素ラベルした試料を合成し、重水素NMR測定より各セグメントの配向秩序度をそれぞれ独立に決定した。さらに、この情報を、研究代表者らが開発した新しい理論(セグメント配向相関理論)を用いて解析することにより、スペ-サ-鎖のコンホメ-ション特性、両末端コアの配向秩序度や分子の空間的形態などを明らかにして、これらの解析結果を論文に発表した。
二量体液晶をモデル化合物に採用して得られた知見は、主鎖型高分子液晶の一次構造と巨視的物性(配向秩序度、相転移挙動)との対応を議論する上で重要な鍵となる情報であり、本研究を通して液晶性高分子の分子設計における基礎をはじめて明瞭な形で確立することができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Hirokazu Toriumi,Toshiyasu Kimura,Hiroshi Watanabe: "Alkyl Chain Parity Effect in the Phase Transition Behavior of α,ωーBis(4,4'ーcyanobiphenyl)alkane Dimer Liquid Crystals." Liquid Crystals. 7. (1992)

  • [文献書誌] Demetri J. Photinos,Edward T. Samulski,Hirokazu Toriumi: "Molecular Flexibility in Nematics:From Alkanes to Dimer Mesogens." J. Chem. Soc. Faraday Trans.99. (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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