平成3年度科学研究費補助金の交付を受けて、LCRメ-タを購入した。そして、別途に校費で購入した周波数シンセサイザをLCRメ-タの外部周波数入力源として使用することによって、0.1Hzステップで測定周波数を変化させてPEMのアドミッタンス測定を行うことが可能となった。 LCRメ-タ、周波数シンセサイザとパ-ソナルコンピュ-タ(IBMーXT)をGPーIBで接続し、インピ-ダンス・パラメ-タをコンピュ-タに取り込むことができた。インピ-ダンスの絶対値|Z|と位相角θからコンダクタンスGとサセプタンスBを計算し、GーBプロットからPEMの等価低抗R値と良さの指数Q値を求めた。GPーIB制御、デ-タ取り込み、デ-タ処理、画面表示には科学計測/解析ソフトウェアASYST(マクミランソフトウェア、米国)を使用している。PEMのアドミッタンス自動計測システムの構築によってリアルタイムで自由アドミッタンス円線図を描き、Q値・R値などを表示することが可能になった。オンラインデ-タ処理の実現によって、繰り返し測定が容易になり測定デ-タの信頼性が増した。 これまで、PEMに石英またはPMMA樹脂製の小さな三角錐を接着し、円筒状のシリコンゴムの受けにこの三角錐をはめ込んでPEMを支持していた。PEMはフラフラ動く程度に緩く支持され、これがPEMに余分な応力を加えずに済む最善の方法と信じられてきたが、固定されないために位置がずれ特性が変動しやすく、また再現性に欠けるところがあった。そこで、2本の石英またはPMMA製の小さな角柱をレ-ルの枕木のようにPEMに接着し、溝を彫ったホルダ-にはめ込んで支持する方法を考案した。新しい支持方法を用いると、PEMに余分の応力を加えることなく固定することができ、非常に再現性が良くなった。
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