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1991 年度 実績報告書

スメクティック液晶を溶媒とする高配向ポリアセチレンの合成と物性

研究課題

研究課題/領域番号 03650739
研究機関筑波大学

研究代表者

赤木 和夫  筑波大学, 物質工学系, 助教授 (20150964)

研究分担者 白川 英樹  筑波大学, 物質工学系, 教授 (40016720)
キーワードスメクティック液晶 / ネマティック液晶 / 異方性反応場 / ポリアセチレン / 配向性 / 導電性 / チグラ-・ナッタ触媒 / 無溶媒重合
研究概要

フェニルシクロヘキシル系スメクティック液晶、RーC_6H_<10>ーC_6H_4ーR'(R=アルキル基、R'=アルコキシ基)を用いた異方性反応場で、テトラブトキシチタン、Ti(OBu)_4、とトリエチルアミン、AlEt_3、からなるチ-グラ・ナッタ触媒溶液を用いて、アセチレンの重合を行った。ポリエン鎖の束であるフィブリルの配向形態は一様ではないものの、初めてスメクティック液晶相において直接配向フィルムを合成することに成功した。このフィルムは、巨視的には不均一な配向にも関わらず微視的領域での配向性のため、ヨウ素によるケミカルド-ビング後の電気伝導度は、1.3x10^4S/cmと、ネマティック液晶を用いて合成した配向フィルムの伝導度の最高値と同程度の高い値であった。このことは、配向したサイトのフィブリル構造は、ネマティック液晶の場合以上に、より高配向したことに起因するものと考えられ、当研究計画で意図した、秩序度のより高いスメクティック液晶を用いることの意義が部分的に示されたと考えられる。
次に、触媒溶液に高温熟成を施し、液晶を溶媒とした重合においても、配向性と共に力学的強度さらには延伸性をも併せ持つポリアセチレンフィルムの合成を試みた。その際、溶媒を用いずに、室温でTi(OBu)_4ーAlEt_3触媒を調製し、引き続き、150℃、1時間の熱処理を行った。その後、スメクティック液晶を適量加え所定の触媒濃度にし、これにアセチレンを導入した。液晶相を保つため、触媒の濃度そのものを低くせざるえなかったため、延伸性は得られなかったが、フィルムの脆さは改良された。
他方、上記の試みを通じて、触媒の調製から重合終了までの操作において、溶媒を一切使用しないで、高延伸性と高導電性を有するポリアセチレンフィルムを合成する、新規重合法(Intrinsic NonーSolvent Polymerization Method)を開発することができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kazuo AKAGI: "ESR Study on Ti(OR)_4ーAlR'_3 Catalyst SystemsーStructural Changes of Ti^<3+> Complex upon HighーTemperature Aging" Synthetic Metals. 40. 197-218 (1991)

  • [文献書誌] Kazuo AKAGI: "Mechanism of Stereospecific Chlorination of Polyene via Prolonged Chemical Doping" J.Mol.Struct.(Theochem). 232. 211-224 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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