研究概要 |
本研究はマクロモノマ-の重合を制御して(AB)n型およびAnBn型スタ-・ブロック共重合体の新規合成法を確立して,そのミセル形成,秩序ー無秩序転移,ミクロ相分離に至る過程を体系化づけることを目的とする。本年度は以下の事項を明らかにした。 1.(AB)n型スタ-・ブロック合成:Aセグメントにステレン(S),Bにイソプレン(I)を選び,S,Iの遂付アニオン重合によりブロックアニオンを合成し,Pークロロメタルスチレン(CHS)をリビング末端当量以下で反応させ,アクロモノマ-⇒残存リビングへの付加重合の競争系より(AB)n型スタ-の合成皮を確立した。また上述した反応でABブロックマクロモノマ-を合成した。このマクロモノマ-(LE)をベンゼン中でミセル化(PIの球、ラメラ状ミセル),エチレングリコ-ルジメタクリ-ト(EGDM)存在下でドメイン内でのラジカル架稿重合より,単分散(AB)n型スタ-を合成した。ここで腕数のはポリマ-濃度,〔EGDM〕/〔LE〕比を変えることにより30本程度まで制御できた。これはブロック共重合体の形成するミクロな反応場の概念(組織化重合)を提出したものである。 2.AnBn型スタ-・ブロック合成:S,Pージビニルベゼン,メタクリル酸tーブチルの遂次アニオン重合を制御することにより,ブロック結合点にビニルベンジル基を有するブロックマクロモノマ-を合成した。このマクロモノマ-を開始剤・光増感剤存在下でキャストレミクロ相分離膜をえた。このときビニルベンジル基は相分離界面(厚み2nm)に凝縮配列される。これをUV照射下の光固相重合よりAnBn型スタ-を合成し,新しい組織化重合の概念を確立した。 現在,これらスタ-共重合体のミセル形成,ミクロ相分離挙動を検討している。
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