本研究はマクロモノマーの重合を制御して(AB)nおよびAnBn型スターブロック共重合体の新規合成法を確立して、そのミセル形成、秩序一無秩序転移、ミクロ相分離に至る過程を体系化づけることを目的とする。得られた成果は以下の通りである。 1.AnBn型スターブロック合成:逐次アニオン重合によりブロック結合点にビニルベンジル基イソプレン(I)基を有するブロックマクロモノアニを合成した。このミクロ相分離膜ではこれらの重合性官能基が相分離界面(厚み2mm)に凝縮配列される。重合性官能基の光固相重合や縮合重合によるゲル化反応よりAnBn型スターを合成し、新しい組織化重合の概念を確立した。 2.(AB)n型スターブロック合成:ポリ{エスレン(S)-b-I}のブロックアニオンを合成し、p-クロロメテルスチレン(CMS)の反応等量比を変化させることにより、一段階アニオン重合法により(AB)n型スターの合成法を確立した。またブロックモノマーのミセル中でミクロゲル化反応より肺数nが15〜30の(AB)n型スターを合成し、ミセルを利用する組織化重合の概念を確立した。 3.(AB)n型スターの単分子ミセル形成:(AB)n型スター(B組織18〓%)のミクロ相分離TEM観察より、m=15〜30の範囲では評状Bドメインは共重合体単分子でのコア半径に等しいことがわかった。これはweak-segregationのスピノーダル付近で単分子ミセルを形成し、固体に至る濃縮過程でも形態が凍結され、stnong-segregation領域のミクロ相分離構造になることを明らかにした。この挙動は分岐ポリマーに一般的な現象であることも推論できた。
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