研究概要 |
1.ウンデシン酸およびその誘導体の熱分解機構について 1,3ーブタジインー1,4ービス(ウンデシン酸βーナフチルエステル)の前駆体であるウンデシン酸βーナフチルエステルおよびウンデシン酸等のTGーDTAおよびGCーMassの測定を行ない,その結果より熱分解機構に関する知見を得た。 2.共役ジアセチレン化合物(モノマ-)の合成 側鎖に芳香環と8ケのメチレン基を有する下記の新規共役ジアセチレン化合物(ROCO(CH_2)_8ーC≡CーC≡Cー(CH_2)_8OCOR)を合成した。 各々の化合物について,その合成の中間体も含めて元素分析,IR,NMRおよびMassスペクトルの測定結果より、それらの構造を確認した。 3.ジインポリマ-の合成と物性 1.で得られた(a)〜(d)のモノマ-について,光,加熱,加圧で固相重合を行なった。(a),(b)は加熱,加圧ではほとんど重合しないが光では重合した。(a)は(b)よりも重合率は大だが,そのポリマ-は有機溶媒に不溶であった。(b)のポリマ-は数種の有機溶媒に溶解し,その溶液の色変化が認められた。(c),(d)はどの条件でも重合しないことがわかった。 今後は,(b)のポリマ-が有機溶媒に可溶なので,色変化,重合度等についてさらに詳細に検討するとともに,さらに新しい置換基を有するジアセチレンの合成と重合について研究を進めたい。
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