大規模プラント排ガス中のCO_2を除去する技術のうちモノエタノ-ルアミン化学吸収法は、吸収能力および経済性および経済性などの点で高く評価されている。この方法では、CO_2吸収後のモノエタノ-ルアミンは水蒸気の作用によりCO_2を分離し再生される。しかし、長期間に亘る反復使用の後に劣化物を含んだ吸収液のCO_2吸収能力は低下し、吸収液は廃棄されている。本研究では、そのような使用済みモノエタノ-ルアミンを大腸菌Escherichia coli K12株を用いて生分解し、有価物の酢酸へと変換するバイオリアクタ-を考案し、培養条件が生物反応に及ぼす効果について検討した。 培地成分について吟味した結果、モノエタノ-ルアミンはE.coliの生育のための窒素源となるが、効率良い増殖を望むためにはグリセロ-ルまたはグルコ-スなどの炭素源が不可欠であることがわかった。モノエタノ-ルアミンを分解するエタノ-ルアミンアンモニアリア-ゼは、その生合成および機能発現のためにビタミンB_<12>を必要とした。この酵素は、反応生成物のアセトアルデヒドにより不活性化したが、培養液中のアセトアルデヒドの蓄積を抑えるためにはアセトアルデヒドを酢酸へと変換するアルデヒドデヒドロゲナ-ゼの活性を高めることが大切であることがわかった。酢液は、これらの酵素の活性を低下させ、また細胞の増殖を抑制したためpH制御が生分解反応を促すことを演繹した。 モノエタノ-ルアミン自身をpH制御用のアルカリ溶液とする新しい培養方法を考案し最適pH値を求めた。モノエタノ-ルアミンの処理産および酢液の生成量はpHが7.5の時に最大となり、処理量1g/(l・h)および酢液生産性0.9g/(l.h)が得られた。
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