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1991 年度 実績報告書

根の細胞膜における硝酸イオン吸収機構の遺伝子支配の解明とその育種的利用

研究課題

研究課題/領域番号 03660007
研究機関大阪府立大学

研究代表者

長谷川 博  大阪府立大学, 附属研究所, 講師 (00090457)

研究分担者 井上 雅好  京都府立大学, 農学部, 教授 (90090456)
キーワード硝酸イオン吸収 / ミハエリス=メンテン式 / 誘導時間 / 温度 / オオムギ / イネ / コムギ / ライムギ
研究概要

硝酸イオン吸収の遺伝解明の基礎資料とするため,オオムギ,イネ,コムギ,ライムギを材料として,幼植物の硝酸イオン吸収に関するミハエリス=メンテン式の定数Km(ミハエリス定数)とVmax(最大吸収速度)を求めた。
わが国で現在培養されているオオムギ12品種の播種後7日目の幼植物について,25℃におけるKmとVmaxはそれぞれ50.9〜111.7μM,2.24〜4.99μmol・g^<-1>・h^<-1>であった。これらの値はオオムギ,ヒマワリ,シロイヌナズナなどで他の研究者により報告されている値とほぼ同程度であり,硝酸吸収遺伝子に大きな種間分化がないことを示唆している。KmとVmaxは温度が低下すると小さくなったが,低下程度に品種間差異が認められた。25℃と15℃におけるKmについてみると,15℃では25℃の1/4に低下する品種から,ほとんど変化しない品種までの差異が認められた。KmとVmaxの温度による変化については吸収キャリア-自体の特性とともにキャリア-を働かせるエネルギ-代謝の関連において調査を行う必要がある。Vmaxと幼植物の生体重,根長および第1葉長との間には相関は認められなかった。
イネ,コムギ,ライムギに関するKmとVmaxの測定はまだ予備実験の段階であるが,これまでに得られた結果は3種の両パラメ-タはオオムギで得られた結果の範囲内にある。
さらに,硝酸イオン吸収の誘導時間を調べたところ,イネ,ライムギは非常に短かいが,オオムギ,コムギでは約2ー3時間であり,誘導時間は種により異なることが認められた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 長谷川 博: "わが国オオムギ品種における硝酸イオン吸収のミハエリス=メンテン式による解析" 日本作物学会紀事. 61. (1992)

  • [文献書誌] 長谷川 博,川崎 俊己,市橋 秀樹,渡辺 洋: "数種作物の根における硝酸吸収キャリア-の特性。ミハエリス=メンテン定数および誘導時間について。" 近畿作物・育種研究. 37. (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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