CAD(Computer Aided Desin)を用いた造園設計システムの構築・標準化を進めるため本年度は、事前調査および造園CAD機能の設計とシステム構築、運用試験を行い、以下の研究成果を得た。 1.造園CAD開発事例調査:造園設計機関におけるCAD開発、利用事例調査を行なった結果、不定形な植物材料の扱いがシステム化の障害になっており、普及に至っていない。 2.造園設計業務とCAD機能との比較検討:造園設計プロセスでは、デザインシミュレ-ションが重要であり、植物材料を含む予測手法がCADにリンクされる必要がある。 3.造園CADの機能・構成原理の解析・設計:造園材料のビジュアル化と、デザイン・景観評価知識の検索とがCADに反映される必要がある。 4.造園CADシステムの構築:ビジュアライゼ-ションと、知識ベ-ス検索、造園設計が同時に稼働できるCADシステムを構築した。植物材料の可視化は、パソコンでは速度的に無理であった。 5.運用試験:システム稼働試験の結果、当該システムは速度面に問題はあるが、機能的には実用的な造園設計CADシステムとなることが分かった。ビュジュアライゼ-ションについては、ワ-クステ-ションなど高速なコンピュ-タ-とネットワ-クで接続して処理速度を補完する事が実用化に不可欠であり、次年度の実用化試験には、ネットワ-クでの分散処理によってシステムを完成させる。
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