本年度は2年間にわたる本研究の最終年度であり、昨年度構築した造園CADシステムの実用化試験を行い、その成果を検討して近未来のプロトタイプの機能設計を行い研究成果の取りまとめを行った。以下はその研究成果である。 (1)実用化試験 実用化については、現在の造園CADシステム機能は、造園設計の図面管理について最も実用的と考えたが、民間での実際の設計作業においては、コストパフォーマンスの点で問題が明らかになった。 これは、デザイン意匠や植栽設計での自然材料の知識など、図面化に要する知識が多く、図化されたものが定式化されないため、CAD化のメリットが低いためであった。同時に、現在用いられている造園設計図面のうち、マスタープランレベルのものはフリーハンドが多用されており、標準化が困難で、この点も実用化を妨げているっことが明らかになった。 (2)造園CAD近未来プロトタイプ設計 造園CADに求められる機能は、ビジュアルなデザイン操作性である。この点を明らかにし、その機能の実現性について調査・検討を深め、プロトタイプを設計した。特に、植物材料の可視化機能について具体的に検討し、ビジュアルなデザインツールとその図面化についての機能設計が重要であるとの結論を得た。 (3)研究成果の取りまとめ 2年度に渡る研究成果の取りまとめを行った。
|