異なるロックウ-ル培地水分水分条件下における、生育、果実品質を明らかにするため、「超かん液区」「多かん液区」「中かん液区」「少かん液区」を設けて、温室メロンのロックウ-ル栽培を行った。その結果、植物体の生育は、ロックウ-ル含水率が低くなるほど低下したが、果実重量、品質は、含水率が45%程度まで低下しても、影響されないことが明らかになった。 ロックウ-ル栽培において、このような低含水率を保つためには、生育段階や天候の変化、水切り処理のような複雑な栽培管理に対応できるようにするため、蒸散モデルを用いたかん液制御の確立が必要である。これらの基礎資料を得るため、日射比例制御法と蒸散モデルによる制御法を用いて、異なる気象条件下におけるかん液量と蒸散量を比較した。その結果、弱日射で温度と湿度が異なる場合の日射のみによるかん液制御では、実際の蒸散量に対応できなかったため、蒸散モデルを用いた制御がより適することが明らかになった。蒸散モデルを用いた場合、晴天時には推定蒸散量と蒸散量(実測地)はぼ一致したが、曇雨天時では推定蒸散量よりも蒸散量が多かった。これは蒸散モデルの弱日照下(100w/m^2以下)における蒸散抵抗値の推測が正確でなかったためであると考えられる。 本年度の結果より、次年度には蒸散モデルの蒸散抵抗値を決定した後、ロックウ-ル培地内水分及び蒸散量を測定しながら、かん液量を決定できるようにするかん液制御プログラムを作成し、実際にメロンを栽培する予定である。
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