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1991 年度 実績報告書

栄養ストレスによる物質分泌機構の細胞生物学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 03660065
研究機関東京大学

研究代表者

西澤 直子  東京大学, 農学部, 助手 (70156066)

研究分担者 森 敏  東京大学, 農学部, 助教授 (90011915)
キーワードムギネ酸 / ニコチアナミン / 鉄欠乏ストレス / オオムギ根
研究概要

I.ムギネ酸生合成経路の酵素の部分精製
鉄欠乏によってイネ科植物の根から分泌されるムギネ酸の生合成経路は、既に明らかにしており、その経路上のSーアデノシルメチオニンからニコチアナミンを合成する酵素を部分精製した。播種後2週間目から鉄欠乏処理を開始し、処理後約1箇月の植物体から新根のみを集めて、疎水クロマトグラフィ-、DEAEクロマトグラフィ-、ゲル瀘過クロマトグラフィ-等により精製した酵素液を、未変性電気泳動により分離し、ゲルから溶出後、活性を検出した。今後このゲル上の酵素活性のある部分からタンパク質を溶出して、アミノ酸部分配列を決定する予定である。現時点で明らかにしたこの酵素の性質は、(1)至適PHは9.0であり、PH5.5以下で不可逆的に失活する。(2)鉄欠乏により誘導される。(3)分子量は4万〜5万である。
さらにニコチアミンから未知の中間体を経て、デオキシムギネ酸へ至る過程のうち、ニコチアナミンから未知中間体までの酵素を部分精製した。ニコチアナミンから未知中間体への反応は、アミノ基転移反応であり、アミノ基受容体として2オキソグルタル酸を必要とし、ビニルグリシンによって阻害をうけることから、PLP(ピリドキサ-ルリン酸)を補酵素であることが明らかとなった。そこで前記と同様にして得られたオオムギ根粗抽液を硫安分画して得られた活性画分を、PLPのアフィニティ-カラムにかけ、吸着画分を回収したところ活性が得られた。これを更に、ゲル瀘過HPLCにかけたところ、活性のある画分を得ることができた。この酵素の至適PHは約9.0であり、前記酵素と共にムギネ酸合成系が細胞内顆粒に存在することが示唆された。分子量は2万5千から3万の間である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Nishizawa,N.K.: "Crossーreactivities of Antiーnicotianamine antibody with mugineic acidaud Related compounds." Soil Sci.Plaut Nutri.37. 159-162 (1991)

  • [文献書誌] Nishizawa,N.K.: "An iron deficiencyーspecific cDNA from barley roots having two homologous cysteineーrich MT domains." Plant Molecular Biology. 17. 531-533 (1991)

  • [文献書誌] Nishizawa,N.K.: "ImmunoーcytoChemical detection of mugineic acid in Feーdeficient barley root cells." Abst.VIth Int.Iron Symp.(1991)

  • [文献書誌] Nishizawa,N.K.: "Why are young rice plants highly susceptible to Feーdeficiency." Plant&Soil. 130. 143-156 (1991)

  • [文献書誌] Mori,S.: "Enhancement of ferricーmugineic acid up take by iron deficient barley roots in the preseuce of excess free nugineic acid in the medium." Plant&Soil. 130. 135-141 (1991)

  • [文献書誌] Mori,S.: "Development and Characterization of a Monoclonal Antibody to phytosiderophores." Plaut&Cell Physiol.(1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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