研究課題/領域番号 |
03660070
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
飯国 芳明 高知大学, 人文学部, 助教授 (40184337)
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研究分担者 |
岩崎 貢三 高知大学, 農学部, 助教授 (40193718)
櫻井 克年 高知大学, 農学部, 助教授 (90192088)
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キーワード | 高知県 / 自然情報解析学 / 農業地帯区分 / ZPC(荷電ゼロ点) / Cu |
研究概要 |
1.営農の履歴と現状に関する分析:旧市町村を単位とした県下の農業地帯区分を行った。類型化は186旧市町村をクラスター分析を用いて山間部と平坦部の2グループに分類し、それぞれについて主成分分析およびクラスター分析により類型分析を行った。分析の結果平坦部・山間部とも4つの類型がえられた。内訳は平野の第1類型が水田経営と施設園芸が併存している「水田施設型」農業地帯、第2類型が「不安定兼業水田型」農業地帯、第3類型が丘陵地帯を抱える施設園芸地帯を含む「畑地施設型」農業地帯、第4類型が「小規模水田型」農業地帯となり、山間部は第1類型が畑地樹園地が水田と共にに発達している「複合農業型」農業地帯、第2類型が国有林地帯に分布する「農林業水田型」農業地帯、第3類型が「畑地樹園型」農業地帯、第4類型が「水田中心型」農業地帯となった。2.荷電ゼロ点(ZPC)の分析:大方町、大正町、夜須町、香我美町の4地点を中心に精査を行った。ZPC、σpの値と他の理化学的特性値との関係について考察を加えた結果、以下の知見が新らたに得られた。(1)永久負荷電が多量に存在する土壌においても、交換性Al量が大きい場合σpが大きくなること、(2)永久荷電性鉱物の負荷電が重要な荷電源である場合には、有機物の存在がZPCを低下させσpを大きくするという効果が隠されてしまうこと、(3)ZPCとσpは互いを規定し合う要因であること、(4)農耕地における施肥、特に石灰施用は、ZPCを高くしσpを大きくする方向にはたらくこと。3.重金属の分析:香我美町・夜須町において精査を行った。香我美町においては(1)ボルドー液による人為的なCuの負荷があること、(2)人為的に負荷されたCuと土壌母材由来のCuは存在形態が異なること、夜須町においては(1)2C,3C層の土壌が銅鉱山の影響を強く受けていること、(2)潅漑に由来するCuの負荷が増大した場合、農業生産への影響が懸念されることが判明した。
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