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1992 年度 実績報告書

蛋白質架橋形成酵素トランスグルタミナーゼの生理機能と遺伝子発現調節機構

研究課題

研究課題/領域番号 03660083
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

伊倉 宏司  京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (00101246)

キーワードトランスグルタミナーゼ / インターロイキン-6 / 急性期反応 / トランスグルタミナーゼ遺伝子 / プロモーター領域
研究概要

本研究の目的は、タンパク質架橋形成酵素トランスグルタミナーゼの生理機能と遺伝子発現調節機構を分子レベルで解析することである。研究期間において得られた成果を以下にまとめた。
1.ヒト肝癌細胞株HepG2をインターロイキン-6(以下IL-6と略す)で処理すると、細胞のトランスグルタミナーゼ活性はIL-6の濃度および処理時間に依存して増加した。デキサメサゾンはIL-6の活性誘導作用を増加させた。免疫化学的解析は、IL-6による活性誘導が、組織型トランスグルタミナーゼは量的増加に起因していることを示した。ノーザン解析の結果は、この活性誘導に相関するかたちで本酵素のmRNAレベルが上昇することを示した。このmRNAのレベル上昇はタンパク質生合成に非依存的であった。IL-6によるトランスグルタミナーゼ活性の誘導は、ラット初代培養肝細胞やマウス骨髄細胞株M1においても観察された。
2.IL-6は肝細胞の急性期反応を誘発する主要シグナル因子である。リポポリサッカライドやテルペン油で人為的に急性期反応を引き起こしたマウスの肝トランスグルタミナーゼ活性が上昇することから、IL-6は生体中でも肝トランスグルタミナーゼの誘導因子として作用することが示唆された。本酵素は、肝細胞の急性期反応プロセスあるいは他のIL-6応答性のプロセスに関与するものと推定された。
3.モルモット肝トランスグルタミナーゼ遺伝子の5'上流領域をクローニングしそのまま塩基配列を決定した。転写開始点の上流付近には、TATA配列、CAAT配列、GC富領域が存在した。さらに上流には、IL-6応答配列をはじめとする各種の転写調節配列に対応する領域が見られ、本酵素遺伝子の発現は多様な制御機構により調節されているものと推定された。IL-6はこの上流領域が有する基本プロモーター活性を増加させた。

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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