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1992 年度 研究成果報告書概要

翻訳後修飾としてのチロシン-O-硫酸化とその機能(タンパク質チロシン硫酸転移酵素の遺伝子工学への応用)

研究課題

研究課題/領域番号 03660093
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 応用生物化学・栄養化学
研究機関宮崎大学

研究代表者

水光 正仁  宮崎大学, 農学部, 助教授 (00128357)

研究期間 (年度) 1991 – 1992
キーワード硫酸化チロシン / 翻訳後修飾 / ゴルジ体 / 牛肝臓 / 硫酸転移酵素 / ヒルジン / 血液凝固阻害剤 / 活性硫酸
研究概要

タンパク質の生合成は、DNAの遺伝情報に基づき転写されたm-RNAがリボゾームでポリペプチド鎖に翻訳され、そのポリペプチド鎖が小胞体やゴルジ体で様々な修飾をうけることによって完成する。翻訳後修飾としては、ポリペプチド鎖の切断、リン酸化、硫酸化、メチル化、アセチル化、ADP-リボシル化、アシル化、糖鎖付加、ジスルフィド架橋などがある。これらの中でも、癌化とリン酸化とは極めて重要な関係がある。
近年、リン酸化と分子的に非常に類似した硫酸によるタンパク質のチロシン残基の修飾が見つかり注目されている。硫酸化チロシンタンパク質の硫酸供与体は活性硫酸PAPSすなわち3'-ホスホアデノシン5'-ホスホ硫酸である。それは細胞質可溶性画分で生合成され、そしてゴルジ体に入りタンパク質チロシン硫酸転移酵素(TPST)により硫酸化に使われる。
翻訳後修飾としてのチロシン硫酸化の生体内での機能はまだ完全に明らかになっていないが、タンパク質の生理活性調節、機能の多様化、タンパク質分解酵素に対する安定性への寄与、そして選別輸送を含めた分泌のためのシグナルの可能性が考えられる。近年、遺伝子工学の発展に伴い組み換えタンパク質の医薬、研究用試薬への利用が考えられている。しかし、大腸菌や酵母を用いて遺伝子の発現を行った場合、得られたタンパク質が翻訳後修飾をなされていないことにより、その機能を有していない場合があり、問題にされている。チロシン硫酸化もこのような修飾の一つである。そこで今回、65個のアミノ酸からなる血液凝固阻害剤ヒルジンをモデルタンパク質として、上記酵素を用いて天然型ヒルジンの作製を試みた。
その結果、63番目のTyrのみの硫酸化に成功し、天然型ヒルジンを得た。これらのことより、組み換えタンパク質の翻訳後修飾として、牛肝臓由来のTPSTを用いて特異的チロシン硫酸化が可能となった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Hiroshi Ibuki: "Enzymatic Synthesis of PAPS with an ATP-regeneration System." Nucleic Acids Symposium Series. 27. 171-172 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Masahito Suiko: "Post-translational Modification of Protein by Tyrosine Sulfation : Active Sulfate PAPS is the Essential Substrate for This Modification." Nucleic Acids Symposium Series. 27. 183-184 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Masahito Suiko: "Quantitation of Tyrosine-O-sulfate in Human Urine by Ion-Pair Reverse-Phase High-Performance Liquid Chromatography." Bull. Fac. of Agr. Miyazaki Univ.39. 141-146 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Masahito Suiko: Japan Sci. Soc. Press, Tokyo. The Post-translational Modification of Proteins, 19-34(281) (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1994-03-24  

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