研究概要 |
植物光合成CO_2固定酵素、リブロ-スビスリン酸カルボキシラ-ゼ/オキシゲナ-ゼ(通称RuBisCO,ルビスコ)はその反応の過程で非常に強い活性低下、いわゆる履歴現象を示す。活性調節部位はこの履歴現象を軽減する役割を果たす。これまでの研究で、活性調節部にはRuBisCOの基質アナロ-グが結合することとその結合様式を明らかにしてきた。今年度はまず、RuBisCOの本来の基質であるRuBPの活性調節部位への結合の有無とその結合の様式を決定した。さらにこの酵素が反応の過程で示す履歴現象の原因となる部位と活性調節部位の決定を行った。 1.RuBPは触媒部位以外にRuBisCO1モル当たり8モルのRuBPを結合した。この活性調節部位への結合は二つの協同性を示す成分から構成さレ、それらは相互に強い相互作用を示した。これらのRuBPの結合様式は、RuBP構造アナログの活性調節位への結合の様式と同様であった。 2.すでにこれまでの研究から、履歴現象ならびに活性調節へのRuBPの結合にはリジン残基が関与していることが判明している。そこで今年度はリジン残基の化学修飾剤であるトリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)を使い、これらの部位の決定を行った。その結果、Lysー22,Lysー82,Lysー305,Lysー451がこ蔵れらのRuBisCOの機能に重要な役割を果たしていることがわかった。 3.今後、これらの部位のポイトミュ-テ-ションにより、これらの部位がRuBisCOの活性発現に果たす役割について研究する。
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