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1991 年度 実績報告書

糖鎖解析に有用な微生物のエンドグリコシダ-ゼの生産と応用

研究課題

研究課題/領域番号 03660110
研究機関京都大学

研究代表者

山本 憲二  京都大学, 農学部, 助教授 (70109049)

研究分担者 矢野 俊博  京都大学, 農学部, 教務職員 (30135553)
キーワードMucor属 / EndoーβーNーacetylglucosaminidase / アスパラギン結合型糖糖鎖 / 糖タンパク質 / 複合型2本鎖 / EndoーF / トランスフェリン
研究概要

1.土壌より単離したMucor属の一菌株が培養液中に生産する新奇なEndoーβーNーacetylglucosaminidase(EndoーβーGlcNAcーase)について、その多量生産法を確立した。本菌をグルコ-ス培地で3日間、振とう培養すると培養液中の酵素活性は最大となった。また、ウシ肝臓ペ-ストを炭素源とした培地によって誘導培養すると、酵素の生産は著しく増加し(10%添加した場合には約4倍に増加)、フスマを用いた固体培養によってもその生産は著しく増大することを見出した。2.培養液よりEndoーβーGlcNAcーaseを種々のカラムクロマトグラフィ-によって単一タンパクにまで精製した。本酵素の分子量は約95、000で、至適pHは6.0ー6.5安定pHは7ー8、40℃までは安定(10分間インキュベ-ト)であった。3.本酵素はアスパラギン結合型糖鎖のなかでも動物由来の糖タンパク質に多く見出される複合型2本鎖に良く作用し、非還元末端にシアル酸が結合している糖鎖に対しても作用した。また、複合型3本鎖にも微弱ではあるが作用することを見出した。4.従来より動物由来の糖タンパク糖鎖の構造解析などに用いられていたFlavoーbacterium meningosepticumの生産するEndoーβーGlcNAcーase(EndoーF)と本酵素について比較検討したところ、本酵素は複合型2本鎖の糖鎖に対して約300倍以上の高い活性を有することを見出した。また、EndoーFは界面活性剤とSH試薬の存生下でのみ糖鎖に作用するが、本酵素はこれらを全く必要とせずに糖鎖に作用した。5.本酵素をヒト血清トランスフェリンに作用し、脱糖鎖したトランスフェリンと遊離した糖鎖とをゲル濾過によって分離した。遊離糖鎖はNMRなどによって複合型2本鎖であることを同定した。脱糖鎖トランスフェリンをレクチンカラムによって分離後、Nativeなトランスフェリンと鉄の結合能について比較した結果、糖鎖は鉄の結合に関与していないことを明らかにした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] S.Kadowaki: "Microbial EndoーβーNーAcetylglucosaminidase Acting on ComplexーType Sugar Chains of Glycoproteins" Journal of Biochemistry. 110. 17-21 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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