研究課題/領域番号 |
03660120
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研究機関 | 熊本工業大学 |
研究代表者 |
村尾 澤夫 熊本工業大学, 工学部, 教授 (00081472)
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研究分担者 |
尾山 廣 熊本工業大学, 工学部, 助手 (50221700)
新 隆志 熊本工業大学, 工学部, 助教授 (50179066)
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キーワード | 超特異性プロテア-ゼ / インシュリンHPLC法 / セミアルカリプロテア-ゼ / プロリルエンドペプチダ-ゼ |
研究概要 |
本研究で開発した方法でカゼイン分解力の弱い菌株を選び、インシュリンHPLC法及び合成基質の分解パタ-ンから以下の超特異性プロテア-ゼの分取に成功した。(1)ペニシリウム属FGー1株の生産するセミアルカリプロテア-ゼは、分子量3万2千、等電点9.4、反応最適pHが8のセリンプロテア-ゼであり、酸化インシュリンB鎖のLeu(15)ーTyr(16)結合のみを水解する極めて特異性の高い(超特異性)ユニ-クな酵素であることを明らかにした。更に、LDHアイソザイムの分別定量を目的に、M型サブユニットの特異的な阻害剤の検索を行っていたところ、本酵素が塩酸グアニジンを用いた実験でM型サブユニットのみを完全に阻害し、LDHサブユニットの分別定量の可能性が示唆された。(2)シウドノカルディア属の放線菌が生産する酵素は、カゼイン分解活性が殆ど無く、アスパルテ-ム前駆物質(ZーAsp^^ーPhe^^ーOMe)やアスパルテ-ム(Asp^^ーPhe^^ーOMe)のAsp^^ーPhe間のペプチド結合を水解するチオ-ルプロテア-ゼであった。予備実験から逆反応も進行することが明らかとなった。(3)ストレプトミセス・キサントフアエウスHAー36株の生産するプロリルエンドペプチダ-ゼは、分子量4万7千、反応最適pHが7のセリン酵素であった。本酵素は、合成基質を用いた実験より、その作用にはP_4位が必要であり、更にカゼイン分解活性も合わせ持つことから、既知の酵素とは諸性質の異なったユニ-クなプロテア-ゼであることが明らかとなった。(4)放線菌の生産するアルカリプロテア-ゼは、反応最適pHを9に持ち、アラニン残基のC末端側を特異的に切断するセリン酵素であった。更に、本酵素が既知のプロテア-ゼ阻害剤(キモスタチン・ロイペプチン・SSI)で全く阻害を受けないことから、新規なプロテア-ゼである可能性が示唆された。
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