• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1993 年度 実績報告書

微生物を活用した有機塩素化合物による汚染土壌の浄化手法の開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 03660121
研究機関国立環境研究所

研究代表者

矢木 修身  国立環境研究所, 水土壌圏環境部, 室長 (40132865)

研究分担者 岩崎 一弘  国立環境研究所, 地域環境研究グループ, 研究員 (30193717)
富岡 典子  国立環境研究所, 水土壌圏環境部, 研究員 (40168399)
内山 裕夫  国立環境研究所, 水土壌圏環境部, 主任研究員 (00185042)
キーワード揮発性有機塩素化合物 / 土壌浄化 / 地下水汚染 / トリクロロエチレン / ジクロロエチレン
研究概要

川砂及び黒ボク土壌中における、1,1,1-トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンの分解速度を調べると共に、栄養塩類、栄養物質さらに酸素等を添加することによる分解速度の促進効果について検討を加えた。
1,1,1-トリクロロエタンの分解では供試土壌に川砂を使用した場合、エタン添加により分解促進効果が認められた。しかし、黒ボク土壌では効果が認められなかった。トリクロロエチレンの分解では、エチレンを炭素源として使用した場合、川砂中において、顕著な分解の促進が確認された。黒ボク土壌中では、エチレンを添加することにより分解が阻害された。エチレン添加により拮抗阻害が生じたのではないかと考えられた。メタンを炭素源として使用した場合、川砂中においては、酸素を同時に添加した場合に僅かながら分解が促進された。以上のことから、土着菌の活性化に有効な炭素源や栄養物質、および環境条件を明かにすることにより効果的な浄化が可能であることが判明した。
また、トリクロロエチレン分解菌であるメタン資化性菌Methylocystis sp.M株及びメタン、リン、窒素、酸素等の添加による分解促進効果について検討を加えた。M株添加量を変化させて分解実験を行ったところ、OD=0.1となるように添加すると0.2ppmのトリクロロエチレンを一日で分解することが可能であった。トリクロロエチレン汚染濃度を変化させて実験を行ったところ、トリクロロエチレン汚染濃度1ppm以下であれば一日でほぼ完全に分解することが可能であった。メタン、酸素添加はトリクロロエチレン濃度が高いときに効果的であった。以上のことから、トリクロロエチレン汚染土壌の浄化にM株を活用する手法は、短期間で高い浄化効果が得られ、非常に有効な環境修復技術であることが明かとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 成瀬洋児、渡辺正敏、土山秀樹、矢木修身: "トリクロロエチレンの土壌への収・脱着" 水環境学会誌. 16. 346-353 (1993)

  • [文献書誌] 矢木修身、内山裕夫: "バイオレメディエーション技術を用いる揮発性有機塩素化合物汚染土壌・地下水の浄化" BIO INDUSTRY. 10. 477-482 (1993)

  • [文献書誌] 矢木修身、内山裕夫: "バイオコンバージョン" 医学出版センター, 245 (1993)

  • [文献書誌] 矢木修身: "地下水汚染・土壌汚染の現状と浄化対策" 工業技術会, 409 (1993)

URL: 

公開日: 1995-03-23   更新日: 2019-02-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi