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1993 年度 実績報告書

ヒバを主体とする天然林の更新のメカニズムと林床維樹群の環境生理特性

研究課題

研究課題/領域番号 03660146
研究機関岩手大学

研究代表者

橋本 良二  岩手大学, 農学部, 教授 (80109157)

研究分担者 杉田 久志  岩手大学, 農学部, 助手 (60154473)
キーワードヒバ / 天然林の更新 / 稚樹の個体群構造 / 遺伝構造 / 伏条繁殖
研究概要

奥羽山脈脊梁周辺のブナ・ミズナラ帯には、ヒバ(ヒノキアスナロ)が高い密度で混入する森林群落が各所に見られる。今年度の研究では、林床に生育するヒバ稚樹の個体群構造を精査するとともに、その成立過程について地形要因との関連を踏まえながら繁殖様式に着目して検討をおこなった。
1.林床のヒバ稚樹群は、個体サイズや年齢および密度や分布構造の面で明らかに異なる二つの個体群によって構成されていた。一つは種子の芽生えおよび1年から数年生の低年齢・極小サイズの個体からなる未定着稚樹であり、他は数十年以上に達した高年齢・大型の定着稚樹であった。
2.前者の未定着稚樹の密度は比較的多く見られるところでも0.3個体m^<-2>程度であり、その分布は尾根部から斜面上部に集中していた。後者の定着稚樹では密度が2.8個体m^<-2>と高く、尾根筋から沢筋にわたる広い範囲で生育が認められた。
3.定着稚樹群のアイソザイムの遺伝変異を調査したところ、任意交配集団とは認められず、栄養繁殖が示唆され、葡状枝による繁殖が個体群の発達に大きく関与していることが考えられた。
4.定着稚樹群を5酵素6推定遺伝子座(Shd-2、6Pg-1、6Pg-2、Dia-1、Pod、Lap-2)の遺伝子型の異同によりグループ分けしたところ、尾根部の500個体は34グループ、斜面中部の457個体は18グループに分類された。
5.定着稚樹群を生みだした繁殖様式は、定着サイトで異なり、尾根部から斜面上部では大半が種子繁殖によるのに対し、斜面中下部では伏条繁殖がきわめて重要な役割を果たしていることが明らかであった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 橋本良二・高橋宏輔・白旗学: "ミズナラ-ヒバ林下に生育する両稚樹の光合成及び呼吸特性" 日本林学会論文集. 104. 549-550 (1993)

  • [文献書誌] 佐藤典生・橋本良二: "ヒバ稚樹集団の遺伝変異にもとづく集団形成過程の検討" 日本林学会論文集. 104. 553-554 (1993)

  • [文献書誌] 佐藤典生・橋本良二: "尾根部に形成されたヒバ稚樹集団の遺伝変異" 日本林学会東北支部会誌. 45. 165-168 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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