研究概要 |
1.目的と方法 本研究では、スギ造林地における雑草木群落とその動きについての実態を植栽密度(立木密度)との関連の中で明らかにすることを研究のおもな目的とし、併せて群落の動きが育林保育及び林地管理上に及ぼす影響についての検討を引き続き行うものである。このため、房総南部の東京大学千葉演習林内の各所に設けたスギ密度別植栽地等を使用し、密度別植栽各区のスギ造林木の成長状態、林分構造、雑草木の組成及び構造並びに雑草木害等についての調査を実施した。 2.結果と今後の計画 (1)清澄管内仁ノ沢の26年生スギ密度別植栽地を対象に、密度別植栽各区(1600本/ha,3300本/ha,6600本/ha,13300本/ha植え)におけるスギ造林木の成長状態及び生育状況についての調査を行った。密度別各区におけるスギ造林木の成長状態、林分構造、枯損状態については、資料を解析、取りまとめ中である。また、雑草木群落の調査については、次年度(平成5年度)の夏季に行う予定である。 (2)また当年度では、札幌管内前沢の8年生スギ密度別植栽地において、密度別植栽各区(2500本/ha,3900本/ha,6900本/ha植え)ごとのスギ造林木の成長状態,林分構造,雑草木群落の構造及び動態等に関する調査を行った。 上記の(1),(2)については、植栽当初からの既存の資料があるので、これらを含めての本研究課題の目的に沿った資料の解析と取りまとめを行っている。さらに他の林地での既存資料との比較・解析を行い、遷移の観点からの群落の状態診断を基礎にしてのスギ造林地における雑草木群落とその動きについての実態を調査・分析する。来年度は本研究補助金費の最終年度に当たるため、総括を行い印刷化を予定している。
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