研究課題/領域番号 |
03660148
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐倉 詔夫 東京大学, 農学部(林), 講師 (70012078)
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研究分担者 |
丹下 健 東京大学, 農学部, 助手 (20179922)
鈴木 誠 東京大学, 農学部(林), 助手 (40012091)
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キーワード | スギ造林地 / 雑草木群落 / 群落動態 / 植栽密度 / 造林木の成長 / 林分構造 / 年次変化 / 立地環境 |
研究概要 |
1.目的と方法 本研究では、スギ造林地における雑草木群落の動態を植栽密度との関連のなかで明らかにすることをおもな目的とし、併せて群落の動きが育林・保育管理上に及ぼす影響について考察するものである。このため、房総南部の東京大学千葉演習林内のスギ密度別植栽地をおもに使用し、密度各区ごとの群落調査を行った。当年度においては、おもに札郷管内前沢(28C_<1-3>)のスギ幼齢疎密植栽地を対照にし、林地に侵入し繁茂したところのススキの動態に注目した。 2.結果と検討 (1)当スギ幼齢疎密植栽地において、下刈りが行われていた期間の2〜5年目林地では、各密度区〔高密度区(6944本/ha植え)、中密度区(3906本/ha植え)、低密度区(2500本/ha植え)〕ともススキが優占植生となっていた。 (2)また当スギ植栽地における初期8年間の調査結果から、ススキの草丈及び雑草木の群落高は、各年次とも密度各区間での差が明瞭でなかった。 (3)他方、ススキの被度の年次変化に注目すると、各密度の中で、疎植うえの中密度及び低密度の両区では、スギの樹高が3m、被度が45%となる5年目以後においてススキの被度が著しく減少した。しかし高密度区では、スギの樹高が2m、被度が30%となる3年目以後に、ススキの被度が著しく減少した。したがって当調査地のスギ幼齢林地では、スギの植栽密度を6944本/ha植えまで高めると、スギ植栽後の早い年次(3年目)からススキが急激に減少することがわかった。
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