資料の収集をしたものの、その解析をまだおこなっていないので、明確な判断はできないが、資料から読みとれる程度のことについてまとめておこう。 戦後のカラマツ造林においては、短伐期を前提として植栽されてきたために、間伐についてはほとんど考えられてこなかったようである。その結果、間伐されないままに過密化しているカラマツ人工林も多い。また、現実には伐期を長期化せざるを得なくなっており、標準伐期齢に達したカラマツ人工林で、主伐されないままに残されている森林が増えている。さらに、調査研究を進めるなかで、カラマツ人工林の伐期をどのように考えるかという課題に直面したが、現存しているカラマツの高齢人工林を見る限りでは、少なくとも80年ぐらいまでは延ばさなければならないように思えた。そして、そのためにも、現存のカラマツ人工林に対して強度の間伐をおこなわなければならないことを痛感した。 また、長野県内に生立しているカラマツーヒノキの二段林についての調査結果では、上層木も下層木も過密気味であるので、かなりの疎仕立の管理でよいように判断できそうである。 さらに、林業労働力不足に対処するための大型高性能林業機械による作業の調査結果では、作業の効率化や安全性の追求のためには大型高性能林業機械が有効であることや、大型高性能林業機械を利用して間伐材を搬出する場合には、列状間伐が有利であることなどが明らかになった。
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