研究概要 |
1.京都市近郊のスギ,ヒノキ人工林に細根調査のプロットを設定し、1991年4月〜1993年3月まで、約2年間にわたり細根の現存量の測定を行ってきた。毎月、調査地において土壌ボーラーを用いて土壌を採集し、土壌中の細根を水洗法によりとり出した。細根は、直経別に区別し、微細根と細根にわけて各々の重量を風乾後に測定した。 2.ヒノキ人工林での細根の現存量は、2年間を通して一定であり、細根の大部分は、地表0〜5cmの表層に分布していた。 3、ヒノキ人工林にリターバックを設置し、細根の分解速度を調ベた。 4.ヒノキ天然生林に1992年3月、調査プロットを設定し、土壌中における細根の微細分布を新しく考察した土壌断面法を用いて調査した。 ヒノキ天然生林では、細根は土壌堆積腐植層に分布しており、特に上層に多く分布していた。現存量は7.1A/haであった。 新しく考察した土壌断面法により、土壌堆積腐植層における細根の分布様式と細根の生死の判別を明にした。土壌において細根は、形態をもとにして1)、新しい細根,2)枯死した細根 3)枯死し分解した細根に区別できた。この方法を用いて、細根の生死の割合を推定することができた。今後、この方法を用いて細根の季節変化から、細根の出生 死亡を推定することの可能性が示された。
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