研究概要 |
森林の利用目的に応じた基盤整備の水準を検討するため代表的な森林地域の現地調査を行い各種の資料を収集した。これらの資料をもとに森林の経済的機能を中心とした基礎整備水準を検討するモデルを構築した。モデルは森林資源デ-タベ-スと数値地形図をもとに、シミュレ-ションにより路綱配置を行うものである。急傾斜地においてタワ-ヤ-ダを用いた300m前後の集材を前堤とした場合,必要な基盤整備の水準は25m〜40m/haの範囲であった。この値は、集約的な森林経営を行っている団地が50〜60m/ha,一般的な森林計画の目標値が20m/haと比較しその中間の値である。今後は集材手段や搬出ロケットの大小等の条件を替え,整備水準についてさらに検討を加えていく。 数値地形図と路綱配置の結果をコンピュ-タグラフィクにより3次元表示し,感覚的に容易にその結果を検討できるシステムを構築した。このシステムは対象地域を鳥瞰図として表示し,そのなかに路綱や集材架線の架設可能位置を表示するものである。また、森林資源デ-タベ-スを用い小班単位の資源内容を表示することもできる。今後は路綱配置の結果を,資源や地形,利用目的を考慮し設計意志に側った路綱に、画面上で修正できる対話型のシステムに改善していく。 路綱配置計画や整備計画支援のエキスパ-トシステムとして上記のシステムの統括運用を支援するシステムを構築中である。また、保健休養や環境林として森林利用における基盤整備の例を索引し,整備計画の際に参考となる画像デ-タを用いた検索支援システムも構築中である。
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