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1991 年度 実績報告書

種苗放流が自然個体群に与える遺伝学的影響の数学モデルによる解析とシミュレ-ション

研究課題

研究課題/領域番号 03660188
研究機関東京水産大学

研究代表者

渡邊 精一  東京水産大学, 水産学部, 助教授 (40106753)

キーワード遺伝的特性 / Komnickiモデル / 種苗放流 / スクランブル型競争 / コンテスト型競争 / リソ-ス分割 / 個体順位 / 放流効果
研究概要

個体を中心とした考え方によるLomnickiのモデルを拡張し、放流個体の遺伝的な特性によって自然の個体群がどのような影響を受けるかを考察し、遺伝的な特性が放流種苗と天然の稚仔とで同じ場合、異なっている場合について、放流が個体群に与える影響を理論的に明らかにした。
各々の個体が与えられたリソ-スを分け合うスクランブル型競争ではリソ-ス獲得の能力に遺伝的な差がないとき、および、たとえ遺伝的な差があるときでも自然個体群に対して過大な放流を行なうことによって、個体群が絶滅してしまう危険性がある。いっぽう、順位の高い個体がリソ-スを独占してしまうコンテスト型競争では、放流個体の生存に対する遺伝的特性が自然の個体のものより劣っていると、自然の個体数がある程度大きいと放流は個体数の増大にまったく意味をなさない。さらに、放流個体が生き残って再生産を行なうと子孫に遺伝子が受け渡されることにより個体群の遺伝的組成を変化させてしまう場合がある。しかし、逆に、放流個体の遺伝的特性が天然のものより優れていると、放流量の増加にともない放流個体が自然の個体を駆遂してしまい、ついには、放流個体のみが存在することになる。即ち、放流個体の遺伝的特性のみが次世代に受け継がれることになり、自然個体群の遺伝的特性が失われることになる。放流個体と自然の個体との間に遺伝的違いがある場合には、放流を慎重に行なわねばならないことが明らかになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 渡邊 精一: "種苗放流による自然個体群の繁殖戦略へ変化" 日本水産学会誌. (1982)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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